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自分が何か相手に頼みごとをするとき、相手はどのような表情をしていますか?
自分の中では普通にお願いしているつもりでも、相手の反感を買ってしまったり、怒らせたりしてしまう時はありませんか?
内谷は以前、飲食店の店長だったのですが、従業員に作業を頼むと、なぜか良い顔をされませんでした。
他の社員や従業員が同じことを頼んでも、快諾されるのにです。
後でパートさんには「言い方が冷たいです」とか、学生アルバイトには「怖い」「上から目線が気に入らない」と言われ、人員の不足に陥りました。
当時の私は、原因を「飲食店はイメージ悪い」「時給が低いから」と自分以外の部分に責任があると思っていました。
今、転職して、ふと当時のことを思い出すと、自分が原因だったことに、ある書籍を読んで気づかされました。
もしこの本を当時、手にしていたら、もっとうまく店の運営が出来ていたと思います。
人見知りの自分にとって、仕事だけでなく、普段から伝え方を考えることが重要だと思い、この書籍を手に取りました。
この本の第2章で「ノーをイエスに変える伝え方」について、効果的な伝え方には、3つのステップを意識するように書いてあります。
1. 自分の頭の中をそのままコトバにしない
→頭の中の「~したい」を直接伝えない。グッとこらえる。
2. 相手の頭の中を想像する
→相手がどう考えるか想像する。
3. 相手のメリットと一致するお願いをつくる
→相手の好きなこと、望んでいることに自分のお願いを隠す。
(例) (デートしたい)→(相手はデートはNOかもしれないが、おいしいご飯を食べに行くのはOKかも)→「おいしいイタリアンの店に行かない?」
この3つのステップを意識して伝え方をつくっていくとのことです。
ただ、ステップ2の相手の頭の中を想像する、というのは、なかなか簡単なことではないと感じました。
しかし、筆者は、「相手の頭の中を想像する」ための7つの切り口も紹介していたので、非常に参考になりました。ノーがイエスになる伝え方の切り口は以下の通りです。
1. 相手の好きなこと メリットに変化させる
飲食店で働いていたとき、人員の不足や、オペレーションミスで、料理の提供が、遅くなる見込みになったとき、当時の私は「提供まで少々お時間いただきます」としか言っていませんでした。
これを相手にとって待つことがメリットであるという伝え方に変換できることを学びました。
(例) 「提供まで少々お時間いただきます」→「できたてをお作りしますので、少々お時間いただきます」
同じ事象を伝えてるのに、後者の方が響きがいいですよね。
2. 嫌いなこと回避
いわゆる、相手にデメリットがありますよ、と遠回しに伝えることです。この本の例では
「チカンに注意」という看板をどう変化させれば良いのかという議題でした。このままでは効果がないので変換させると、「住民の皆様のご協力で、チカンを逮捕できました。ありがとうございます」に変換したら効果が出たといいます。
チカン相手に、「逮捕はされたくない」「住民が協力体制をしいている」ということを伝えられた結果です。
3. 選択の自由
これは営業テクニックにも応用されているものですが、「イエスかノー」で決断させると慎重になってしまうので「AとBどちらが良い?」と聞くことでノーになる可能性を低くすることです。
営業でも「このプランやりませんか?」よりも「AプランとBプランどっちが良いですか?」と選択の自由をつくることでイエスを前提に話を進められるので断られにくいです。
選択話法について以前の記事で紹介しています。
4. 認められたい欲
人間には承認欲求が少なからず備わっており、「他人に認められたい欲」が人間のDNAに組み込まれています。
以前の自分は、「これやっといて」としか頼んでいませんでした。相手の立場になって考えると、「誰でもできる仕事を押し付けられた」と感じてしまう頼み方だったと思います。
私自身、「仕事だから当然だろ」と思っていたことを、そのまま伝えてしまっていたのも良くなかったなあ、と感じます。
(例)「これやっといて」→「君の仕事が一番キレイだからお願いできる?」
(例)「仕事教えてあげてよ」→「教え上手の人に頼みたい」
面倒なことを頼むときは一工夫加えていきましょう。
5. あなた限定
「あなただけに」というワードは誰しも弱いコトバですよね。秘密の共有などをするときも、「あなただからいうけど」と一言あるだけで、悪い気はしません。
内谷も、会社の飲み会に参加した際、普段は違う部署で働く同僚に「普段は参加しないんですけど、内谷さんがいるって言うから来たんですよ」と言われた時(もちろん、リップサービスです)、非常に気分が良かったです(笑)
あなただけという気持ちを伝えましょう。しかし、いろんな人に言いすぎると、誰にでも言ってるのか、と思われてしまい逆効果になるのでご注意を。
6. チームワーク化
面倒なことを一緒に行う、もしくは周囲を巻き込んで行動させることです。
最近、子供に勉強させる際、親も一緒に勉強すると良いと聞いたことがありますが、まさにそれで
(例)「勉強しなさい」→「一緒に勉強しよう」
と変換することで、相手も動いてくれます。「一緒に~しよう」「皆でやろう」は昔から強い義務感を持たせられます。
営業スキルの第三者話法に似ている部分があります。
第三者話法についてはこちらでも紹介しています。
7. 感謝
最終手段です(笑)
何だかんだ、感謝されると断りにくいのが人間です。物事を頼む際に、「いつもありがとうございます!」をつけて頼むと「しかたないなぁ」といいつつやってくれます。
最近、公衆トイレでよくみる「きれいに使ってください」→「いつもキレイに使っていただきありがとうございます」もこの一種かもしれません。
最後に
私のような人見知りは、誤解されがちです。自分では普通と思ってること、良かれと思って伝えているのに、相手には間違った伝わり方になってることが多々ありました。
正直、自分が嫌いになることもありましたが、営業職になって、言葉を使うようになって、様々な本を読んでから、自分の考えを伝えることに少しずつ怖さがなくなってきました。
今まで目を背けて逃げ続けていた自分から、人見知りなりに、人に強くなったような気がします。
まだまだ未熟ですが、その分成長の余地もあります。
亀の歩みのようなスピードでも一歩づつ歩んでいきます。