営業と心理学は、相手が人である以上、切り離せないものです。
心理学とは、人の心と行動について科学する学問です。
相手がどのように感じ、どのように行動するかは営業職はもちろん、普段の生活でも人との関わりがあるなかでは必要な学問です。
人見知りであるの我々も、あらゆる人間に対抗(?)するべく、学んでおいて損はないかと思います。
営業だけでなく、普段の生活にも使える部分があるので、使ってみてください。
1. ミラーリング
「同調効果」といい、親密な関係同士や、好意を抱いている相手と同じ行動や仕草をしてしまうミラー効果のこと。
営業では、この効果を、あえて同じ動作を意識的に行うことで相手に好感をもってもらえるようにするテクニックとしていわれます。
相手が笑顔にを作るタイミングで、笑顔になってみたり、相手が伸びをしたタイミングで自分も伸びをしてみたりすることです。
相手と同じ動作を真似ることで、相手に共感してます、という気持ちを無意識に与えることが出きるのがミラーリングです。
注意点としては、相手に悟られないことが重要なので、すべての行動を真似たりすると相手も警戒してしまい、逆効果になってしまう可能性があるので、あくまでさりげなく、相手からワンテンポ遅らせて真似したりなど工夫してミラーリングは行いましょう。
初歩的で簡単にできる心理学を生かしたテクニックなので、仲良くなりたい相手がいるときは使ってみてください。
2. バックトラッキング
バックトラッキングは、いわゆるオウム返しです。相手の言ったことを復唱するように話すことです。
「昨日○○行ってきたんだ!景色がきれいで、すごい良いところだったよ」
と言われたときに「へえ。良かったですね」だけで終わってしまっては、話が盛り上がりませんし、相手もこれ以上話したくなくなります。
相手「昨日○○行ってきたんだ!景色がきれいで、すごい良いところだったよ」
あなた「○○行ってきたんだ?そんなにきれいだったんだね」
と相手の言った事実を繰り返し言うことで、相手に話を聞いてくれていると思わせる技術です。
注意点としては、繰り返す部分を間違えないことです。
相手「昨日○○行ってきたんだ!景色がきれいで、すごい良いところだったよ」
あなた「昨日行ってきたんだ!良かったね」
相手「え?そこ・・・?」
いつ行ったかは、相手にとってはさほど重要ではないので、違和感を覚えてしまいます。
相手のホットポイントを的確に掴みましょう。
3. イエス取りの法則(一貫性の法則)
一度、自分の発した言葉や行動に一貫性を持たせようとする人間の心理を利用して、相手に合意を取りながら話を進めていくと、成約に繋がりやすいという法則です。
営業「同じ条件でもっと使いやすい商品があったら良いですよね」
相手「そうだね」(YES)
営業「なおかつ、有事の際にご活用できたらいいですよね」
相手「できるといいね」(YES)
あなた「こういう商品あったら使いたいですよね?」
相手「使いたいね」(YES)
あなた「では、こちらの商品です!」
相手「YES」
というように、小さいYESを取っていくことで、自分の言った手前、撤回しづらいという心理を生かした法則です。
ただし、ほぼ確実にYESが返ってくる質問を投げ掛けなければ効果ありませんので、質問の答えが五分五分の可能性の質問をしてNOを喰らわないように気をつけてください。
4. 返報性の法則
SNSのいいね!をもらったらいいね!を返したくなったり、なにかお土産をもらったらお返ししなきゃ、と思ったりするのは人間の「受けた恩は返さなければ」という気持ちに沿った当然の心理かと思います。
なぜなら貰いっぱなしでは居心地が悪くなるからです。
こちらから有益な情報を出すことで、相手から有益な情報が返ってくる法則です。
営業でよく使われるのは、自己開示の返報性で、自分の出身や家族構成を話すと、お客様も「私は○○です」と情報開示してくれることが多いです。
プライベートでは、好意のある人に贈り物をすると、相手も無下にできないので、仲良くなるためのきっかけ作りに使えたりします。
5. 単純接触効果(ザイオンス効果)
接触する回数が多くなるほど親近感が増すという心理学を生かした効果です。
営業でも、効率重視が進んでいるなかでも、やはり何回も足を運んでくる営業マンは好かれやすいです。
1時間の会合1回よりも、10分の会合を6回行う方が断然効果があるというデータもあります。
注意点としては、アプローチの仕方(マイナスの印象を与えてしまったなど)によっては逆に何度も接触すると嫌われてしまう可能性がありますので、嫌悪感を抱いているかどうかの分析は必要かと思います。
軽い挨拶を毎朝するだけでも、その人に印象を与えられるので、まず挨拶から始めましょう。
5. 選択話法
営業クロージングの時にも使われる話法です。買うこと、行うことを前提として選択をさせる事です。
「このプランでやりますか?」→「AプランとBプランどっちがいいですか?」
とすることで、相手断りにくくする話し方です。
プライベートにも応用ができて、好意のある相手を食事に誘いたいときなどに
「食事行きませんか?」→「美味しい洋食と和食どっちが食べたいですか?」の方が成約率が高いとの事です。
6. 第三者話法
これも簡単にできる営業話法の定番です。相手にとって、自分の声よりも第三者の声の方が刺さりやすいです。
営業で使うなら「この商品はカメラ機能がきれいですよ」→「このカメラを使った人が言うには、本物と写真の区別がつかないって評判なんですよ」というように、第三者の意見を交えながら話すると信憑性が増します。
自分の意見の押し付けでもないので、押し売り感も感じず、メリットを伝えられるので積極的に使うべきです。
最近、話題になっている、関西の人々がよく使う「~らしいで。知らんけど」に少し似ていると感じます(笑)
7. 希少性の法則
いつでも「特別に」「あなただけに」「期間限定」などは購買意欲を掻き立てるワードとなっています。
某通販番組の「残りあとわずか」もそうですよね。
クセ付けとして、言葉の最初に「今回だけ」とつけることで成約率はアップしていきます。
8. リフレーミング
言い換えによって同じ意味の言葉の印象を大きく変えることです。
「この機能がついてるから1万円する」→「この機能がついて、たったの1万円しかしない」
というようにポジティブに捉えさせることで印象をよくすることです。
一番印象に残ってるのは、サッカー元日本代表の本田圭佑選手の言葉です。
「ワールドカップまでたった1年しかないと考えるか、あと1年もあると考えるかで結果が大きく変わっていくと思う」
まとめ
いずれも意識すれば、すぐにできる簡単なものです。もちろん、自分のようなロクデナシでも可能です。
大事なのは使い続けることです。その中でうまくいかず、失敗することもあります。
言葉、話し方は普段から使わなければ進化しないし、変化もしません。
もし、少しでも変わりたい気持ちがあるなら、一歩踏み出しましょう。
それが亀の歩みのようにゆっくりな一歩でも、素晴らしいことです!