人見知り営業マン 内谷慶のロクデナシブログ

ロクデナシ営業マンが、営業職や通信に関する役立つ情報を発信をしていくブログ

推しの子を読んで~嘘はとびきりの愛?【営業】でつく嘘もそうなの?

今、話題になっているのが【推しの子】というアニメです。

 

私の職場でも【鬼滅の刃】と並んで話題になっており、同僚からも「見た方が良いよ~」と薦められました。

 

実は内谷、アニメ化になる前からマンガで読んでいました。ちなみに重曹をなめる子役のキャラが推しです←読んでる人は意味が分かる。

 

このマンガは、可愛らしい絵やキャラクターとは裏腹に、芸能界における「嘘」「本音と建前」「メディアの誹謗中傷」といったダークなテーマが、細かく書かれている作品です。

 

物語の中心となる「アイ」というアイドルが放つ「嘘はとびきりの愛」という台詞も衝撃でしたね。

 

事細かな心理描写がリアルですが、ミステリー要素を含む展開や、現実離れした設定が好みの方にオススメです。

 

所々にコメディチックな内容もあるので、胃もたれせず?に観られます。(内容が暗いだけの映画やアニメだと、内谷は何も食べてないのに胃もたれしてしまいます。そんな気持ち分かるでしょう?)

 

このアニメのキャッチフレーズ「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」という部分に、営業と繋がる部分があったので書いていきます。

 

11巻まで出ています。全巻セットまとめて購入できます!


 

 

 

営業の世界でも良く言われます。「嘘がつけないと営業できない」「ウソも方便」といった漠然としたアドバイスを聞きます。

 

あげく、良く考えもせずに「どれだけ騙せるかが大事」とか言う先輩営業マンもいました。(最近は少なくなってきたが、たまにそういう人がいるので注意)

 

私の意見としては、営業は嘘をつく必要はありませんということです。

 

私自身、ロクデナシなので、要領良く演技できず、愛想笑いも作れないものなので、嘘も当然苦手です。

 

しかし、以前、全く契約が取れなかった時代、心のどこかで「嘘をつかなきゃ」「相手を騙すように話さなきゃ」と思うようになってしまいました。

 

この考え方は、契約が取れないという事以上に自分の精神を蝕み、あげく仕事の後に、罪の意識から泣いてしまうこともありました。

 

 

営業が嘘をつきたいと思うのは、主に2つの場面になります

 

  1.  お客様と距離を近づけるための「嘘」
  2.  商品を良く見せるための「嘘」

 

 

①お客様と距離を近づけるための嘘

お客様と距離を近づけるほど契約率が上がるので、仲良くなるためにつく嘘です。

 

私の上司(元スーパー営業マンとして有名)は、出身地を必ず、お客様に訊いて、どこを言われてもいいように、47都道府県ごとに住んでいた設定を用意していました。

 

しかも完璧に作り上げて、本当に住んでいたかのように上手く話するのです。

 

これができれば良いのですが、要領良く演技できない内谷には難しい内容でした。

 

では、どうすれば良いのか、例を挙げて説明します。

 

例えば、お客様との雑談で、野球チームの話をしているときにお客様は○○というチームのファン、自分はライバルチーム××のファンだとしましょう。

 

お客様「私は○○のファンです」

 

内谷「そうなんですね。私は××のファンです」

 

お客様「そうか…」

 

嘘をつけない内谷は、即座に自分はライバルチームのファンと言ってしまい、気まずい空気が流れてしまいました。これでは相手は心を開いてくれません。

 

では、嘘をついて、同じチームですと同意して答えてみましょう。

 

お客様「私は○○のファンです」

 

内谷「奇遇ですね!私も○○ファンです」

 

お客様「そうなのか!?え?この間の試合スゴかったよね!?」

 

内谷「み…観てないです」

 

お客様「え?ファンなんだよね?」

 

内谷「…」

 

これでは相手は、むしろ裏切られたと感じてしまうかもしれませんし、うまく乗り切れたとしても、今後もこのお客様に対して矛盾しないように神経をすり減らす対応をしなくてはなりません。

 

嘘をつくのが苦手な人間には、気が重いですよね。

 

では、嘘もつかずに、自分も苦しまない対応としては、相手に気持ち良く話してもらうことが重要です。

 

そのために重要なのは2点だけです。

1つは共感を示すこと、もう1つは推測を述べることです。

 

では、上の例で実際にやってみましょう。

 

お客様「私は○○のファンです」

 

内谷「私も野球が好きなんですが、(共感を示す) もしかして□□選手のファンですかね?(推測を述べる)」

 

お客様「□□より、△△のファンなんだ!」

 

内谷「良い選手ですよね(共感を示す+気持ち良くさせる)△△のプレーが好きなんですか?(推測を述べる)」

 

お客様「そうだね。守備も上手いし、人間性も好きだね。この間の試合もスゴかったんだよ。観た?」

 

内谷「残念ながらその試合は観てないんですが、そのご様子だと相当スゴかったようですね(推測を述べる)」

 

お客様「そうなんだよ~8回のプレーがさー、かくかくじかじか」

 

内谷「実は私は××のファンなんですが、いつも△△には苦しめられてるので、私も良い選手だなーって思います(共感を示す+気持ち良くさせる)」

 

 

だいぶ感じ方が違うと思いませんか?嘘は全くついていない、誠実な対応かと思います。

 

ここで重要なのが、推測を述べる際、推測は間違っていても良いという事です。むしろ、人間は本能的に、間違ったことを正したくなる生き物ですので、推測は間違ってるほうが相手に話させることが出来ます。

 

もちろん、推測が正しかったら、相手は自分の好きなことを目一杯話してくれるので、どちらにしても共感と推測を述べると良いのです

 

 

これは、相手の印象を良くしたいとき、相手の情報(趣味など)を入手したいときなど、同性、異性関係なく、普段のコミュニケーションにも使えるので、是非使ってみてください。

 

実は、この内容は、FBIの捜査テクニックを教えてくれる本で学びましたので、参考にしてください。

 


 

 


 

 

 


 

 

②商品を良く見せるための嘘

 

結論から言うと、商品に関しては、真実を伝えるようにしましょう

 

最近はSNSなど、評価が広がりやすいご時世なので、以前は適当で許された部分もしっかり説明しないと、あっという間に企業へのダメージとなります。

 

一時の欲のために騙そうとすると、後から痛い目に遭います。

 

どんなに売りたいと思っていても、5,000円で売っている製品を「3000円です」というデタラメな嘘や、本来言わなければならない重要事項をあえて話さないことや、無い機能を有るということなどは、クレームに繋がったり、会社の信用を落としてしまう行為です。

 

考え方としては、値段だけで勝負するのは避けましょう。もちろん、コストカットが売りの商材であれば良いのですが、基本的には、この値段でこんなに出来るんですよという売り込み方をしましょう。

 

【実質】~円という商材を売る際もちゃんと理由を話しましょう。

 

特に通信会社の電話営業代理店などは、実質料金を正規料金で消費者に伝える悪質なケースもあります。消費者の立場としてもしっかりと話や理由も聞きましょう。

 

 

 

「モノに対しては真実 人に対しては誠実」であれば営業としてやっていけるので嘘はつく必要はないです。

 

 

最後ですが、【推しの子】を読んで、営業での嘘、騙しはNGと思っていますが、エンターテイメントにおいては、嘘に騙されるのはアリだと個人的には思います。

 

私たちの【推し】とは実際に、普段から頻繁に会うような友達ではありません。※あくまでエンターテイメントの推しです。

 

どんな人間性で、どんな考え方で、どんな人間関係なのかは分かりません。

 

全て、TV越し、画面越し、ステージ越しに見ている姿に、私たちは興奮し、熱狂し、狂乱して様々な形で推してるかと思います。

 

いわゆる、偶像の存在に憧れを抱いています。

 

自分の推しが、良くない行動を起こした場合、「こんなに応援してたのに裏切られた!」と思う人や「こんな人だと思わなかった!ファン辞める!」という人も、中にはいるみたいですが、自分の理想や幻想を、その人に当てはめているように感じてしまいます。(犯罪行為やモラル逸脱のスキャンダルは非難されるべきだと思います)

 

【推しの子】でも、それまで熱狂的だったファンの誹謗中傷の描写がありますが、スキャンダルがあっても支えるファンの描写もありました。

 

私もすでに、THE BLUE HEARTSに騙されているかもしれませんが、彼らの作った音楽に、甲本ヒロトの姿に生きる希望を頂いてるので、「騙されたかー」と笑えるようにしたいと思います。